私的まほろば

ありがとうの手紙

理一おじさんへ

こんにちは。おじさん元気ですか?私は元気です。
おじさんがくれたゼリーおいしかったです。
もっとくれたらもっとうれしいと思います。
それと、お兄ちゃんが昨日、アイスを二個食べてお腹痛がってたけど、私は一個しか食べてないので元気です。でもゼリーのほうがおいしかったです。お兄ちゃんはお父さんにおこられてました。

明日、学校でプールがあります。
昨年おじさんと練習したので、たぶん少しは泳げるようになっていると思います。
でも学校のプールは冷たいのであまり好きじゃないです。
今年も海におじさんといきたいです。
それと、プールが始まるんだからかみの毛を切りなさいって、お父さんがすごくうるさいです。
私はイヤだから切りません。
おじさんはかみの短いと、長いどっちが好きですか?

今、テレビで明日は雨だって言ってました。
雨だとプールじゃなくてふつうの勉強になってしまうので、それもイヤです。
てるてるぼうずを作ろうかなやんでます。

ゼリーおいしかったです。
ありがとうございました。

おじさんが大好きなより





一人、官舎のベッドの上に胡坐をかき、手紙を読んだ理一が苦笑した。
もう一度ゆっくり読み直してから立ち上がり、机の引き出しに入っている以前が選んでくれたレターセットを取り出す。

「ゼリーはそんなに美味かったのか……」

自分の分も買えばよかったな、と少しばかり後悔する。
椅子を引き、腰を落ち着けて返事を思案する。
それと一緒につけてやる菓子は何がよいのだろうか、また同じゼリーでは芸が無いな、なんて下らないことも同時に頭の片隅で考える。

理一はふっと息を吐いて肩の力を抜いた。
(まあ、また適当に見繕えばいいだろう)
幼い文通相手に思いをはせながら理一がペンを取った。




お姫様へ

こんにちは。おじさんは元気です。
も翔太も元気のようで何より。
ゼリーを気に入ってもらえたようでよかった。
なので今回はゴーフルにしました。
ゼリーはおじさんも食べたいので今度おばあちゃん家に行くとき持って行きます。

はかみの毛が短くても可愛いと思うから、の好きにすればいいと思うよ。
確かにお父さんの言うとおり、学校だとかみが長いと大変かもしれないね。
また今年も海に行こうな。

おじさんは今日、ちょっと偉い人と会いました。
とてもえばっていていやな感じだったけど、がまんして心の中で背中をけとばすだけにしました。
おじさんにもいやなことはいっぱいあるけど、がまんして生きています。
と一緒です。

理一より


(2010/06/04)
2万打の感謝をこめて