私的まほろば
家族
「夏希!!ちょっとー!あんたたち見なさいよこれ!とってあったのねー」
夏希とは見合わせて互いに首をかしげた。とりあえず従っておくのが一番と、笑い声の理香おばさんに呼ばれて向かった先で待っていたのは、いつか作った風鈴だった。
風鈴の風を受ける短冊部分にはつたない字と絵で、理一との相合傘が書かれている。夏希のも同様で侘助ヴァージョンである。それを隠そうと胸元で抱きしめてわなわなと震える夏希と対照的に、は息を吹きかけ鳴らそうとした。
「おっお姉ちゃん、なんで恥ずかしくないのー!」
「なによー、別に恥ずかしいことじゃないし」
「あんた達って揃いも揃って馬鹿な子ねえ。いやあ、栄おばあちゃんよく取ってたわ」
「それだけ私達はかわいい曾孫だったってことねー」
「、あんたはもう少し恥ずかしがっていいんだよ」
ええー、と口では文句を言いつつ全く気にしないは己の小さい頃に思いを馳せて、辞めた。馳せる必要も無かった。理一は自分にとって王子様であり、大好きな人である、大事なところは何も変ってない。ただ今じゃこんな素直に率直に表現出来ないかもしれないが、やってみれば案外出来るかもしれない。今なら「相思相愛」とでも書いてレベルアップしている可能性も十分ありえる。
2011/09/10